● 東京物語 ●

2007年12月12日 映画
尾道で静かに暮らしていた老夫婦には5人の子どもがいる。それぞれ成人し、仕事ももっている。末っ子の京子が尾道に残り、両親と共に暮らしている。
夏の暑いある日、夫婦は東京に住む長男と長女を訪ねようと尾道を発つ。東京の忙しい時間の流れで暮らす子どもたちに何かと厄介払いされ、居場所をなくす。しかし、戦死した次男の妻、紀子が世話を焼いてくれる。
監督 小津安二郎 
脚本 小津安二郎 野田高梧
配役 笠智衆 原節子 杉村春子 他
 昭和の名作として残るこの作品を銀幕で見ておかなければ・・・という何とも私らしい理由でしたが、いやぁ〜さすが名作。
 だれにでも伝わる、寂しさやいとしさ、わびしさをこんなに上手に伝えてくれる映画もなかったように思う。白黒の画面や、美しい日本語、今の私では味わえなくなった空間が当然のように存在していて、日本の風習や、家庭の理想像だった。
 私も、京子のように『いやな世の中ね』と思ったし、紀子のように『ずるい女なんです』と思う。シゲ子のように優しさを忘れたりするのかなとも思えば、とみのように、いいお父さんと『幸せなほうですよ』と語らいたい。ごく当り前のことのような日本家庭の生活だったが、今はそれを失いかけている。
 印刷会社の係長が冗談めいて言う。
 今じゃ、平気で親を殺すもんな。
 数十年後の今、本当にこんな事件が世間では当り前になってきた。・・・・家庭にもう一度戻ろう。おじいちゃんとおばあちゃん。父さんと母さん、兄弟たちを再び、食卓を囲もう。

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